水窪町の祭り
水窪町の祭り

西浦田楽
(国の重要無形民俗文化財指定)
水窪町には田楽(田遊び)をおこなった観音堂、薬師堂が多くあり、現存するものは
小畑観音堂(奥領家内)奥山別当 例祭の正月24日にご開帳をするだけで、特に行事はない。
神原薬師堂(奥領家内)知久別当 祭礼の正月12日に特に行事はない。
河内観音堂(奥領家内)加藤別当 例祭は旧正月18日、七十五膳をつくり健康を祈る。
向市場観音堂(地頭方内)鎌倉別当 例祭の正月18日「田遊び」と称する行事を別当と親類縁者数人でおこなう。
西浦観音堂(奥領家内)高木別当 

西浦の田楽は、伝承、伝説によると「養老3年(719)に行基菩薩、この地に来て、正観世音の仏像と
数個の仮面をつくり、その年の7月10日より田楽がはじまり今日に及んだものであると伝えられている。
行基が旅の途中に立ち寄り観音像をつくったという伝説は、付近に現存する観音堂、薬師堂に共通のものである。
内容は農事との関係深い行事であるが、昔、「田楽祭に当たる日に祭事を怠ったため村中に悪病が流行したため、
7月10日の観音講に祭りを催すと、悪病が止んだとの」伝説により現在は、悪病除けのためにおこなっている。
しかし、目的は変化したが、今日まで古式豊かに伝承されている。

西浦田楽の構成 地能33番、はね能13番(うる舞を入れて)その他最後に地能に属する獅子舞、しずめの舞があり計47番である。 「御開帳奥院の舞」1:庭ならし 2:獅子舞 3:麦つき 4:田打ち 5:花ざさら 6:高砂 7:しんたい 8:梅花 「地能」1:庭ならし 2:獅子舞 3:地がため 4:もどき 5:つるぎ 6:もどき 7:高足 8:もどき     9:猿舞 10:ほた引 11:舟渡し 12:つるの舞 13:出体童子 14:麦つき 15:田打ち     16:水な口 17:種まき 18:よなぞう 19:鳥追 20:殿舞 21:早乙女 22:山が早乙女     23:種をり 24:桑とり 25:糸ひき 26:餅つき 27:君の舞 28:田楽舞 29:仏の舞     30:治部の手 31:のた様 32:翁 33:三番叟 「はね能」1:高砂 2:しんたい 3:梅花 4:観音五方楽 5:くらま 6:志ようじょう 7:山姥      8:おさ姫 9:八島 10:野々宮 11:べん慶 12:閏舞(陰暦の閏年のみに舞う) 「番外」1:獅子舞 2:しずめ 「はらい」をもって全て終わる

上村の霜月祭り
湯立神事を中心にした神楽が行われる。
神楽は湯立神事の中の一行事と思われるが、上村の霜月祭りでは湯立神事の余興に
神楽が行われる。

上村の日月神社の拝殿には炉が切ってありこれに湯立て用の釜をかけ行事の中心となる。 湯立神事は神降しから湯立て、湯の舞、諸湯、湯汲み、宮払い、地固め、初湯かけ、みかぐら 剣の舞、神返し、直会などに随時獅子舞など祭典の状況によって屋内外の舞のしきたりはないようです。 神楽舞の内容は、祇園ばやし、ほろ練り、神車、五宝の舞、舞台囃子、ほろ舞、鈴舞。
参考文献:水窪の民俗芸能(水窪町教育委員会)昭和45年1月20日発行